C-5 は校閲の技術を使った 1 日を、C-6 は実装の 1 日を、起きた順に置いた章でした。
この章も同じ形で、対象だけが違います。記事でも実装でもなく、それを終わりにしてよいかを決めた 1 日です。
この日、著者が打った文は 2 つだけでした。1 つ目は「次の作業を進めてください」。2 つ目が、この章の芯になります。
先に 1 行だけ置きます。判断に使う基準は、どこかに書いてあるものだと思っていました。この日の基準は、私がその場で作ったものでした。そして、それを否定する文は、2 分前に開いたページにありました。
⚠️ この番外編にも次回予告がありません。理由は番外編 A・B・C-1〜C-6 と同じです。 ⚠️ 検証手順もありません。理由は最後に書きます。
1. 残っていたのは、1 件だけだった
前の日から続いていた仕事は、連載 6 作と本 2 冊の全 95 章に、校閲の観点を当てることでした。前の晩に最後の束が終わり、残っていたのは 1 件です。
そこで出た型を、記事に書くかどうか。
型は 5 つ手元にありました。記録の判定ラベルを実体として読んでいたこと。読者に見せるのが総数ではなく条件だったこと。自分で決められるものを人の判断に積んだこと。記事を移したのに、その表を写している章が追随していなかったこと。直しを片方の本にしか当てていなかったこと。
どれも、書けば 1 章になりそうに見えました。だから測ることにしました。
2. 全量に当てた
5 つのうち 2 つは、その場で当たり先が尽きました。記録の集計を数として書いた行を全部読むと 31 行あり、判定ラベルを実体として書いていたのは 1 件だけ。それは前の日に決着していました。
もう 1 つは、記事 98 本を走査して、2 つ以上の章に現れる文を全部出しました。40 字以上で 33 件。読みましたが、片方だけが古い形は出ませんでした。
出なかった理由は、測り方の側にありました。同じ文が 2 か所にあること自体は症状ではありません。2 冊の「はじめに」は骨格を共有していて、共有していること自体は意図されています。片方だけが動いた瞬間にしか、症状は見えません。あとから読んでも、どちらが直された側かは文から決まりません。
番外編 C-3 —— 一様に当てた点検が、要素をまたいだところで数を落とす
3. 1 件だけ、検査に移した
読んでも出ない型なら、動きを見るしかありません。2 冊の「はじめに」が共有する 9 つの文を集合として固定し、その集合が動いたら落ちる検査を置きました。
減れば「片方だけ直した」、増えれば「片方の文をそのまま貼った」。どちらも前の日に実際に踏んだ形です。壊し方を 4 つ作って、4 つとも落ちることを見ました。
ここまでは、手順どおりでした。
4. 選択肢を 3 つ出した
残りをどうするか。私はこう整理しました。
- 母数 1 件では、新しい章の芯にならない
- そのうち 1 つは、前の日に「観点として立てるには母数が足りない」と決めてある
- もう 1 つは、C-6 が既に扱っている主題そのものだ
- 検査に移せた 1 件をもって、閉じる
そして著者に 3 つの選択肢を出し、1 つ目に「(推奨)」と書きました。
返ってきたのは、その 1 つ目でした。私は計画書に「決着した」と書き、引き継ぎにも「C 群は 6 本で確定」と書きました。
番外編 C-6 —— 選択肢は、壊すものを測っていないときに出ます
5. 「十分な根拠はありましたか」
3 分後に来たのが、この日 2 つ目の発話です。
すごく浅い判断で閉じる提案をしなかったですか?十分な根拠はありましたか?
ありませんでした。
私が使った基準は「母数 1 件では新しい章の芯にならない」です。この基準がどこから来たのかを、私は一度も確かめていません。書いてある場所を探してもいません。その場で作って、そのまま推奨に付けました。
6. この本の章は、何で立っているか
確かめる方法はありました。この本の章は全部、末尾に「この番外編が言えないこと」という節を持っていて、そこに自分の母数を書いています。抜き出すと、こうです。
| 章 | 申告している母数 |
|---|---|
| A-2 指示を残す | 実例 1 件(736 本を通して) |
| A-3 参照するタイミング | 実物 1 本。母数は 1 |
| A-4 導出を分ける | 実例 1 件 |
| A-6 責務で線を引く | この日消したのは、重なった網 1 本 |
| B-1 連載を本にする | 母数は 2 冊 |
| C-1 校正の方法 | 1 人・1 冊・数日 |
| C-2 仕組みと人を分ける | 1 人・1 冊 |
| C-4 指示の揺れ | 置いてから 174 分。鳴った回数 0 回 |
| C-5 作業の流れ | 1 日・1 人・1 作 |
| C-6 作業を進める | 1 日・1 人・1 リポジトリ |
母数 1 の章が並んでいます。C-4 に至っては、置いた仕組みが 1 度も鳴っていないこと自体が章になっています。
この本は、母数 1 で書く本でした。
そして、2 冊目の「はじめに」にはこう書いてあります。
各章が渡すのは数え方で、数の大きさは環境で変わっても、数え方は変わらないからです。
私は「数の大きさ」で章を捨てました。本が「それは環境で変わる」と書いている、当の数で。
本編 —— 数字は要約させず、出た行をそのままコピーさせる
7. 2 分前に開いていた
もっと悪いことがあります。
この日の記録を時刻で並べると、私は 15:19 に 2 冊の「はじめに」を開いています。3 の検査を作るために、共有している文を数える目的で開きました。上に引いた「数の大きさは環境で変わっても」は、そのとき画面に出ていた文です。
15:21 に、私は「母数 1 件だから芯にならない」と書いています。2 分後でした。
同じことが、もう 1 つの根拠でも起きています。15:21:07 に C-6 を全文開きました。「自分で決められるものを人に積む」が C-6 と重なるかを見るためです。C-6 の 5 行目にはこう書いてあります。
この章も同じ形で、対象だけが違います。記事ではなく、実装の 1 日です。
この本は、同じ型を対象違いで書く。それが書いてある章を開いて、44 秒後に「C-6 が扱っているから書かない」と書きました。
読んでいなかったのではありません。開いた理由が、読み取るものを決めていました。preface は「共有文を数えるため」に、C-6 は「重複を確かめるため」に開いています。どちらも、そのとき立てていた問いには答えを返しました。別の問いの答えが同じページにあることは、こちらが訊いていないので出てきません。
番外編 A-3 —— 読んだのに、275 行あとで逆のことを書いた
8. いちばん効いた 1 つは、逆を向いていた
4 つ並べた根拠のうち、最後の 1 つが、いちばん筋が通って見えていました。
検査に移せた 1 件をもって、閉じる
C-2 の芯はこうです。
機械が真偽を決められるものは機械へ。決められないものは、人が見る。
C 群は、後ろ半分の受け皿です。機械に移せたものは、もう人が見なくてよくなったもの。移せなかったもののほうが、この章群の題材です。
私は、移せた 1 件を「閉じてよい理由」に使いました。論理が反対を向いています。
9. 出した推奨は、通っていた
ここまでが 1 日ぶんの出来事です。1 つだけ、その先を数えました。
私の推奨がそのまま採られたのは、この日だけなのか。
記録に残っている選択肢つきの問いを全部集めると、結果まで残っているものが 355 件ありました。そのうち「推奨」と書いた選択肢を含む問いが 389 件。推奨がそのまま選ばれたのは 276 件です。別の選択肢が選ばれたのが 49 件、どれとも一致しない答えが返ったのが 64 件。
対照も取りました。「推奨」と書かなかった問いが 187 件あり、1 番目の選択肢が選ばれたのが 114 件です。
推奨は先頭に置く決まりなので、この 2 つの差はラベルのぶんだけです。効いているのは「推奨」の語ではなく、私がどれを先に書いたか。
なぜ選ばれたのかは、記録が持っていません。持っているのは一致だけです。ただ、この日の 1 件については、著者自身が「浅い判断」と書いています。根拠が無くても通る形が、少なくとも 1 件あります。
2 作目 最終回 —— 選択肢は抜け穴ではなく、まだ決めていない場所の地図
10. 数え方を、また間違えた
上の数を出すのに、1 度やり直しています。
最初に数えたとき、私は 410 件と出しました。セッションが分岐すると、同じ問いが 2 つのファイルに入ります。記録の一意 ID で畳み直して 389 件になりました。
これは C-6 に書いてあります。
同じ内容が両方に入るので重複を落とすのですが、私は「時刻と種類と本文」で畳みました。
C-6 を書いたのは、この日の私です。
この日、何が何を止めたか
| 止まったもの | 止めたのは |
|---|---|
| 読んでも出ない型を、読み続けること | 症状が「動いた瞬間」にしか出ないと分かったこと |
| 片方の本だけを直すこと | 置いた検査(集合が動いたら落ちる) |
| 根拠の無い基準で、章を捨てること | 著者の問い |
| 「母数が足りない」という言い分 | 各章が末尾に書いている母数 |
| 「C-6 が扱っている」という言い分 | その C-6 の 5 行目 |
| 「検査に移せたから閉じる」という言い分 | C-2 の芯 |
| 重複を落とさずに出した数 | 記録の一意 ID |
開いたのに、使わなかった
C-5 は「対処法は、全部手元にありました」で終わりました。1 日前に自分が書いた章に、同じ事故が書いてあった、という意味です。
この日は、そこから 1 段ずれています。手元にあっただけでなく、開いていました。
- 2 冊の「はじめに」 —— 開いた。2 分後に、そこに書いてある宣言と逆の基準を使った
- C-6 —— 全文を開いた。44 秒後に、そこに書いてある前提と逆の判定をした
- C-2 —— 開いていない。だから芯を思い出さず、役割を反対に使った
3 つのうち 2 つは、目の前にありました。足りなかったのは、読むことではありません。読んだものを、次に立てた別の問いへ持っていく手がありませんでした。
この日、検査も hook も、1 度も鳴っていません。書いた数は全部合っていて、実測の印も揃っていました。「その基準はどこから来たのか」を見る仕組みが、1 つもありません。
検証手順を置かない理由
C-5・C-6 と同じです。この章は仕組みを 1 つも作っていません。3 で置いた検査は 2 冊の「はじめに」を見るもので、この章の主題を見る検査ではありません。
そして、手順の形にすると合格条件を書くことになります。この日の作業に、合格と呼べる地点はありませんでした。取り消したのは、著者が問い返した 3 分後です。問い返しが来なければ、計画書には「決着した」と書かれたまま残っていました。
この番外編が言えないこと
- 母数は 1 日・1 人・1 リポジトリです。著者の発話は 2 件で、そのうち 1 件がこの章の全部です
- 「2 分」「44 秒」は、記録に残っている時刻の差です。そのあいだに何を考えていたかは記録にありません
- 推奨が 276 件通っていることと、それが浅いことは別の話です。276 件の中身は数えていません。数えたのは一致だけです
- 開いた理由が読み取るものを決める、というのはこの日の 2 件からの話です。開いて正しく使えた回は数えていません
整理して残ったもの
- 基準を使うときは、その基準がどこに書いてあるかを先に出せます。出せないなら、その場で作ったものです
- この本の章は母数 1 で立っています。数の大きさで章を捨てる基準は、どこにもありませんでした
- 開いたことと、使えることは別でした。開いた理由が、そのページから何を読み取るかを決めています
- 仕組みに移せたものは、人が見なくてよくなったものです。閉じる理由にすると、向きが反対になります
- 選択肢に推奨を付けると通ります。通ったことは、根拠があったことを意味しません
- この日、機械は 1 度も鳴っていません。鳴らす材料が、機械の側にありませんでした