私はもう、新しいモデルが出た日に乗り換えません。安いほうへ寄せるのも、強いほうへ乗り換えるのも、体を増やすのもやめました。代わりに、どの仕組みにいくらかかるかだけを見ています。このシリーズは、前の 5 作で作ってきた仕組みを、計算資源の割り当てという一点から測り直していく連載です。

先に、読み方を書いておきます。この連載は、読むだけで追えます。各回は、現場で何が起きたかから始まり、何を置いて、何がなくなったかまで続きます。各回の終盤に「検証手順」という節がありますが、読み飛ばして構いません。自分の環境で試したくなったときに、戻ってくれば足ります。

まず一つだけ、思い出してみてください。あなたが最後にモデルや体制を切り替えたときのことです。その切り替えは、何が起きたから決めたのですか。⚠️ 切り替えたあと、前より良くなったことを数えましたか。

まだモデルや体制を切り替えたことが無いなら、思い出せなくて当然です。この連載は、5 作で作ってきた仕組みに、いくらかかっているかを数え直す記録です。そのまま読めます。

5 作 55 本で作ってきたもの

この連載は 6 作目です。

  • 1 作目「読まない技術」: AI の出力を、読まなくて済む形にした
  • 2 作目「AIの意見を聞かない技術」: AI の提案・判断を、二度検討しなくて済む形にした
  • 3 作目「言わない技術」: 人間の入力を、言わなくて済む形にした
  • 4 作目「確かめない技術」: 確認そのものを、その場で決めなくて済む形にした
  • 5 作目「動かさない技術」: 知るための実行を、答えの分かっている問題に置き換えた

⭐⭐ 6 作目が扱うのは、その手前です。——どのモデルで、何体で、どの体制で走らせるか。

⚠️⚠️ ここには、前 5 作の仕組みがまだ届いていませんでした。仕組みは「同じ相手にどう渡すか」を決めるものですが、⭐ 相手を選ぶ判断そのものには、1 つも置いていなかったからです。

この連載で「追わない」のは、2 つです

⚠️ 題が広いので、先に狭めておきます。追わないのは次の 2 つで、それ以外は追います。

#追わないものどういうことか
⭐⭐ 1最新の情報新しいモデルや新しい機能が出た日に、乗り換えるかを考えないこと
⭐⭐ 2答えが出たあとの深追い決められるだけの材料がそろったのに、まだ調べ続けること

⚠️ 1 だけだと思って読み始めると、半分しか受け取れません。2 は別の回で扱います。

⚠️⚠️ どちらも「知るな」という話ではありません。新しいものは出たら見ますし、分からないことは調べます。

取り違えやすい題が、1 つだけあります

⚠️⚠️ この連載には、否定の向きを取り違えやすい題が 1 つあります。そこだけ、先に断っておきます。

⭐⭐ 「一番安いモデルを使わない」は、安いモデルを使うなという意味ではありません。⚠️ 否定しているのは、それを既定にすることです。

⭐ 何をどう測ってそう決めたのかは、その回で書きます。

全部の回に効く原理が、1 つあります

⭐⭐⭐ 請求は、入れたぶんと出したぶんの両方に付きます。そして出したぶんのほうが高くつきます。

⚠️ 倍率は書きません(それは最新情報で、半年で古くなります)。⭐ 向きだけ覚えてください —— 同じ量を削るなら、出力側を削ったほうが効きます。

⭐⭐ この 1 行が、この連載のほとんどの回に効きます。⚠️ どこでどう効くかは、各回で 1 つずつ見ていきます。

⚠️⚠️ 先に 1 つだけ言っておくと、どの回も「割高になる」という話ではありません。見るのは、単価ではなく量のほうです。

この連載が渡すもの

渡せるものと、渡せないものを先に分けます。

⭐⭐ 渡せるどこにいくらかかっているかを、あなたの手元で数える手順(各回の末尾に置いてあります)
⭐⭐ 渡せる私が実際に測った数と、その母数(⚠️ 外れた予想もそのまま書きます
⚠️ 渡せないどのモデルを使えばよいか(⚠️⚠️ 半年で古くなるので、1 つも書きません
⚠️ 渡せないあなたの環境での倍率(⭐ 手順を回せば、あなたの数が出ます)

⚠️⚠️ モデルの名前も、価格も、性能の数字も、この連載には 1 つも出てきません。比べるものは「高い側」と「安い側」とだけ呼びます。⭐ そのかわり、倍率と母数は全部出します。


次回は「深追いしない技術」。私は、答えが出たあとに調べ続けるのをやめました。それでも、決めるのに要る材料は減っていません。