私は最低な喜劇。/アメリカ民謡研究会 (難易度Lv5)

りく

アメリカ民謡研究会  ×11   x0

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ピアノなんて上手に弾けない癖に。
夕暮れの音楽室に忍び込んだ彼女は。
随分お道化たお辞儀をしてから椅子に座った。

彼女の覚束ない鍵盤捌きは、
丁度眠り始めていたベートーヴェン達をすっかり起こしてしまって、
花歌う彼女を睨むのでした。

廊下に騒ぐ足音もなくなって、
カーテンは校庭の掛け声に揺らされる。
内緒の教室ではトロンボーンが秘密の練習をしているみたい。

一日が寝息を立て始めるあの時間、
私達はグランドピアノを人質に音楽室に立て籠って、
「完全な騒音」を要求しているところでした。

こんなのがどうやって上手くいくんですか。
今や二人のヨハンは目を真っ赤にして怒っていますし、
そこの扉は今にも蹴り壊されそうです。
私達はここまで憑いてきてしまったことを心底後悔しながら、
それでもあの子に言われるがまま、猫の鳴き真似を繰り返すのでした。

ピアノなんて上手に弾けない癖に。
夕暮れの音楽室に忍び込んだ彼女は。
随分お道化たお辞儀をしてから椅子に座った。

それが私にはどうしても美しく見えてしまって、
誤魔化すためにちょっと揶揄ったりなんかするんですが。
夕陽があまりに眩しいものだから、

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VOICEROID
結月ゆかり、紲星あかり、琴葉 茜・葵
による。

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