アメリカ民謡研究会
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CeVIO AI 結月ゆかり
また、
VOICEROID 結月ゆかり、紲星あかり、琴葉 茜・葵
による。
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朽ちていくのは。
忘れていくのは。
壊れた昨日を、私は、ただ撫でていて。
あんなに降り続いていた雨がようやく止んで、
「世界は終わりだ」
なんて叫んで廻っていたウサギさんもすっかり静かになりました。
私の秘密基地は完璧な水浸しで、
あの子もどこかの迷子になってしまったっていうのに。
そんなことはもう全然興味がないみたいで、
ウサギさんは次の人参を探して遠くへ行ってしまったようです。
私は崩れ欠けの階段に座っていて、
またつまらない花歌を考えているところでした。
朽ちていくのは。
忘れていくのは。
どっちにしろ、結局は行き止まりしかありませんでした。
あの子が祈り続けた偶像は空っぽの妄想で、
ボロボロになったその人形は、今にも折れてしまいそうです。
それでも彼女は願い続けている。
その躰はゆっくり錆びていて、やがて鳴りやんでしまうのに。
それでも彼女は笑い続けている。
私は。ふと、青空を聴いた気がして――
壊れた昨日を、私はただ撫でていた。
冷たく臥した風は、未だ私を中てている。
そのことだけを嬉しく思って、
溶けてゆく夢の約束を思い出す。
それは虚しいだけのお茶会で。
醒めてしまえば散ってしまうようなお話で。
もう行き止まりしかないというのに。
それでも、あの子は呼び続けていた。
朽ちていくから。
忘れていくから。
壊れた昨日を。
ただ抱きしめていたい、だけ。
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