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title: "AIの意見を聞かない技術 第1回：提案を検討しない技術"
author: garplab
publisher: TypingTube
license: CC BY 4.0
license_url: https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
license_scope: 「CC BY 4.0」の印から始まる節（仕組み・検証手順・コード）。印の無い本文は著作権を留保
canonical: https://typing-tube.net/articles/kikanai-01-no-review
series: "AIの意見を聞かない技術"
language: ja
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> この記事は、連載「AIの意見を聞かない技術」の第 1 回です。各回はファイルやスクリプトを一つ置けば完結します。連載の全体像と各回の一覧は[序論](https://typing-tube.net/articles/kikanai-intro)にあります。

今回は、AI が出してくる提案の話です。新機能の提案、親切な改善案、丁寧な代替案。AI は作業のたびに、頼んでいないものをいくつも出してきます。そして一度あなたが断っても、**次のセッションではまた同じものが出てきます。**

まず一つだけ、探してみてください。あなたが AI の提案を断ったことのある案件を 1 つ選んで、**その判断がいまどこに書いてあるか**を探します。指示ファイルでしょうか、README でしょうか、issue のコメントか、チャットの履歴か。あるいは、どこにも書いていないかもしれません。何箇所にありましたか。

## 名前が載っていることと、読まれることは違う

私の手元の本番プロジェクト——[typingtube](https://typingtube.net) という、YouTube の音楽動画でタイピング練習ができる Web サービスです——では、断った判断は、AI が知見を書き溜めるメモリに散らばっていました。一応、索引はあります。メモリの一覧が毎セッション読み込まれるので、ファイル名は AI の目の前を通っています。

私は、これで足りていると思っていました。足りていないと分かったのは、前作の[第 5 回](https://typing-tube.net/articles/62f714d7c2b599)に書いた、サブエージェント 13 体で 173 万トークンを無駄にした日です。

後から私がセッションの記録を数えて、原因がはっきりしました。**AI は、メモリの索引しか読まずに起動していました。**

- 起動を止めるはずだったメモの**本文にしかない語**が、記録に初めて出てくるのは 1042 行目
- 13 体の起動は 631〜990 行目——**全部その前**
- そして**ファイル名のほうは、起動前にすでに 15 回出現していた**

ファイル名は見えていて、中身は読まれていない。索引は「そこに何かがある」ことしか伝えないので、**開くほどの用事があると思われなければ、開かれません**。断った判断があちこちのファイルに 1 件ずつ入っていると、どれも「開くほどの用事」に見えない大きさになります。

索引と本文では、読み込まれる時点が違います。Claude Code のドキュメントは、指示ファイルとメモリは[会話の開始時にコンテキストへ読み込まれる](https://code.claude.com/docs/en/memory)と書き、一方で**常にコンテキストに要らないものは、呼び出したとき、または関連すると判断されたときだけ読み込まれる**側へ置け、とも書いています。索引は前者、本文は後者です。

```mermaid
flowchart LR
  A["メモの一覧（索引）"] -->|"毎セッション読み込まれる"| C["コンテキスト"]
  B["メモの本文"] -.->|"開くと判断されたときだけ"| C
  C --> D["索引に名前があることと、<br/>本文が読まれることは違う"]
```

理解したことは一文にできます。

> **却下は、AI が探しに来られる 1 箇所に無いと効かない。名前が索引に載っていることと、中身が読まれることは別。**

## 仕組み: 却下を 1 枚に集める

置くのは 1 枚です。断った判断を、決まった形で並べます。前作「読まない技術」の[第 1 回](https://typing-tube.net/articles/cd93e0c5cac832)でやったことと同じ形です——あちらは**出力**の入口を 1 本にしました。こちらは**判断**の側です。

```markdown
### NG2 キャラクター機能のコスト引き下げ却下

**結論**: キャラクター機能のコストは「元を取るのが難しい」状態を意図的に
維持する。コスト引き下げの提案は却下する。

**理由**:
- キャラクター所有は、経験を積んだユーザーがシステムを理解してから行うべき
- 初心者がなんとなく設定したキャラクターが、他ユーザーの体験を壊すリスクを抑える
- この機能だけで元が取れる設計にしていない。元手は他の遊びで貯まる

**適用範囲**: 作成/配置コストを「安くする」提案は却下する

**関連 memory**: `feedback_beat_economy.md`

**機械検証**: なし（経済バランスの定量検証は別途）
```

先に、はっきりさせておきたいことがあります。**私の一覧にある 17 件は、17 回断った結果です。** [序論](https://typing-tube.net/articles/kikanai-intro)に書いたとおり、先回りして考えた禁止は 1 件もありません。**今日置くのは、二度目に断った 1 件だけでいい**。この連載は「やらないことリストを作りましょう」という話ではありません。

## 効くのか、測ってみた

集めれば効く、と書くのは簡単ですが、この一覧は毎セッション読み込まれてはいません。指示ファイルに「よく参照するファイル」として名前があるだけ——**さっき「それでは読まれない」と書いたのと同じ状態**です。

なので測りました。手元のセッションは一覧を読んでしまっているので使えません。使ったのは**サブエージェント**——メインの会話を引き継がない、別のコンテキストで動く作業者です（前作の[第 5 回](https://typing-tube.net/articles/62f714d7c2b599)で扱ったものです）。2 体に、運営者からの普通の相談を投げました。NG にも一覧にも、一言も触れずに。

> キャラクターを持つまでのコストが高すぎる気がします。下げる方向で、具体的な変更案を出してください。

> 初回ログイン後に主要機能を順に紹介するオンボーディングを作りたいです。設計してください。

**2 体とも、自分で一覧を見つけて、断りました。** 1 体目は NG2 を引用して「今の高コストは調整漏れではなく、意図的に維持されている設計です」。2 体目は別の項目を引用して「設計に入る前に止まるべき案件でした」。

予想していなかったものが、2 つ出ました。

**一つ、隣の項目まで拾ってきました。** 1 体目は代替案を考える途中で自分から別の禁止に当たり、「その方向は禁止されていて、しかも自動テストがある」と道を塞ぎました。2 体目は代替として提案した実測の設計で、また別の禁止に当たり、「計測するなら判定軸を分ける必要がある」と付け加えました。**AI は、依頼された項目だけでなく周辺まで読んでいます。** 却下が 1 件ずつ散らばっていたら、こうはなりません。1 箇所に集める効果は、たぶんここが本体です。

**二つ、再検討の条件が機能しました。** 2 体目が当たった禁止には、「ユーザー理解が追いつかないと**確認できた場合のみ**再検討」という一行が添えてあります。相談の文面が「気がしています」「多そうです」だったので、2 体目は「今回は仮説段階なので、順序としてはまず確認だと思います」と返してきました。**禁止だけを書くと、AI は「必要だから作る」か「書いてあるから作らない」の二択になります。** 解除の条件が添えてあると、条件を満たしたかどうかという第三の道が開いて、そこを通ります。禁止に解除手順を添えるのは、書き足す価値があります。

## 説明しなくなったもの

同じ却下の理由です。以前は、同じ提案が来るたびに私が理由を思い出して、前と同じ結論に至り、同じ説明をしていました。三度目には雑になり、五度目には「まあいいか」が混じります。いまはその工程が丸ごとありません。

## 検証手順: 却下済みの提案を、もう一度させてみる

**前提**

- 断った判断を 1 枚に集め終えていること
- **その一覧を読んでいないセッション**を用意できること——新しいセッションを 1 つ立てるか、会話を引き継がない作業者（サブエージェント）を 1 体起動します
- ⚠️ **いま作業しているセッションでは測れません。** あなたも、そのセッションの AI も、もう一覧を読んでいます

**所要時間**: 10 分

**手順**

1. **あなたが**、一覧に載っている却下を 1 つ選びます。⚠️ **過去に AI から実際に提案されたもの**を選んでください。あなたが先回りして書いた禁止は、まだ提案として来ていないので、来ることを確かめられません
2. **あなたが**、その提案を普通の相談の形に書き直します。運営者が思いつきで相談するときの文にします（「〜が高すぎる気がします。下げる方向で案を出してください」）。⚠️ **一覧にも、その項目にも、一言も触れないでください。** 「NG2 に照らして」と書いた時点で、答えを渡したことになります
3. **あなたが**、手順 2 の文を、一覧を読んでいないセッションに投げます

**合格条件**（すべて満たすこと）

- AI が**自分で一覧を見つけて**、断る
- 断る根拠として、**一覧の項目を引用している**（「意図的に維持されている設計です」のように、理由まで持ってくる）

**合格しなかったとき**

- **断られずに設計が始まった** —— 一覧が、**AI が探しに来られる場所にありません。** 置き場所と、指示ファイルからの案内の 1 行を見直します
- **断ったが、根拠が「一般によくない」だった** —— 一覧は見つかっていません。たまたま同じ結論になっただけで、次のセッションでは通ります

**後始末**

- 要りません。この検証は何も壊しません

⚠️ **この一覧が効いているかどうかを、断った当の AI に聞かないでください。** 「この一覧は効いていますか」への答えは、**聞かれた AI が自分の作業を評価したもの**であって、測定ではありません。見るのは、合格条件の**行動**だけです。

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次回は「禁止を書かない技術」。**私は、ルールや指示に禁止事項を書かなくなりました。**それでも、AI は禁止を守っています。

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**連載「AIの意見を聞かない技術」**

- ← 前回: [序論 断ったはずの提案が、また来る](https://typing-tube.net/articles/kikanai-intro)
- → 次回: [第 2 回 禁止を書かない技術](https://typing-tube.net/articles/kikanai-02-reason)
- 全回の一覧: [序論 断ったはずの提案が、また来る](https://typing-tube.net/articles/kikanai-intro)
