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title: "言わない技術 序論：AI に指示することが、ほとんどなくなった"
author: garplab
publisher: TypingTube
license: All rights reserved
license_scope: 記事の全体（序論・最終回は CC BY 4.0 の対象外）。引用は法の範囲で自由
canonical: https://typing-tube.net/articles/iwanai-intro
series: "言わない技術"
language: ja
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私が AI に指示することは、ほとんどなくなりました。やり方も、手順も、計画も、念押しも、ダメ出しも。それで品質が落ちたかというと、落ちていません。このシリーズは、その状態を仕組み一つずつで作っていく連載です。

先に、読み方を書いておきます。**この連載は、読むだけで追えます**。各回は、現場で何が起きたかから始まり、何を置いて、何がなくなったかまで続きます。各回の終盤に「検証手順」という節がありますが、**読み飛ばして構いません**。自分の環境で試したくなったときに、戻ってくれば足ります。

まず一つだけ、数えてみてください。直近のセッションを上までスクロールして、**あなたが打った言葉**だけを拾います。何回ありましたか。そのうち、**言わなくても AI がやること**は何本あるでしょう。

**まだ AI と一緒に開発していないなら、数える対象が無くて当然です。**ここから先は、私の手元の指示ファイルが 2 回減った話から始まります。自分の数字が無くても、そのまま読めます。

## 指示ファイルは 2 回、自分で減りました

前作の序論で、指示ファイルは足すほど薄まると書きました。私の手元の指示ファイル（`CLAUDE.md`）も、そのとおりに増えました。git の履歴で行数を全部追うと、**同じ曲線を 2 回描いています**。

2 月に 85 行から 99 行まで増え、ある日 **52 行**に落ちます。そこからまた増えて 119 行、ある日 **81 行**に落ちます。そしていま 102 行。

落ちた 2 日には、共通点がありました。**どちらも、指示ファイルを削ったのと同じコミットで、機械が守る側に手を入れています。** 1 回目はコミットメッセージの hook を運用向けに整えた日、2 回目はデザインのラチェットを CI から pre-commit hook へ移した日です。どちらもコミットメッセージは `chore:` で、狙ってやったとは書かれていません。

つまり、ファイルに常駐している指示は、**数えられるので減ります**。行数が出るし、増えれば目に付きます。

数えられていないのは、もう一方です。**毎回、私が打っている言葉。**

こちらには行数がありません。ファイルに残らず、セッションが終われば流れていきます。増えても誰も気づきません。だから、減る日も来ません。冒頭で数えてもらったのは、そちらです。

## 前の 2 つの連載は、AI の言動への反応をやめた話でした

この連載は 3 作目です。

- 1 作目「[読まない技術](https://typing-tube.net/articles/34b02627c718fa)」: AI の**出力**を、読まなくて済む形にした
- 2 作目「[AIの意見を聞かない技術](https://typing-tube.net/articles/kikanai-intro)」: AI の**提案・判断**を、二度検討しなくて済む形にした
- 3 作目（本書）: 人間の**入力**を、言わなくて済む形にする

前 2 作を読み返して気づいたことがあります。あそこで私が言わなくなったものは、**全部「AI が何か言った・した・提案した」ことへの反応**でした。作業中の指摘、却下の理由、違反かどうかの相談、確認依頼への返事。一つずつ仕組みへ移しました。

残っていたのは、**最初に渡す言葉だけ**です。

## 一文だけ、説明していないものが残りました

1 作目の最終回に、こう書きました。方針を検討するとき以外、私が AI に入力する言葉は、ほぼ次の 2 文だけです、と。

> 次の作業を進めてください

> ここまで不足点はないですか？確認して不足点がなければ次のセッションに引き継いでください

2 文目には、1 回ぶん丸ごと使って説明を書きました。なぜ自動化しないか、何を拾うか、網の目が粗いこと。

**1 文目には、それがありません。** 「人間が作業の中に口を挟まないという約束です」という 1 行を添えただけで、その先——**なぜ具体的な指示なしで仕事が進むのか**、モデルが自分でやることは何で、人間が渡すべきものは何なのかは、2 作 28 本を通して一度も説明していませんでした。

**このシリーズは、その抜け穴を埋める 12 回です。**

## 短く書きましょう、という話ではありません

減らすのは**指示**です——手順、禁止、検証の依頼、念押し、戦略の助言。増やすのは**前提**で、こちらは前より多く書いています。私しか知らないこと、この環境でだけ起きること、越えてはいけない境界。**判定軸は長さではなく、モデルが自力で得られるかどうか**です。

## うまくいっている人ほど、教えると再現しません

もう一つ、この連載を書いた理由があります。

自分ではうまく回っているのに、人に教えると同じようにならない。心当たりはないでしょうか。理由は単純で、**うまくいっている人の成果は、その人が「言わなかったこと」から出ている**からです。

ところが教えるときに渡せるのは「言ったこと」だけで、**言わなかったことは教材に写りません**。渡された側は空いた場所を一般的な推奨で埋めます——具体的に指示する、検証させる、間違いは指摘して直させる。どれも真っ当な助言で、この連載が外していくのは、まさにそれです。**教えると劣化するのは、教える過程で入力が増えるからです。**

だから各回は「〜を言うな」で終わりません。**言う代わりに何を置くか**を必ず 1 つ書きます。置き換え先のない禁止は、守られないか、丸投げになるかにしかならないからです。

舞台は前 2 作と同じ、[typingtube](https://typingtube.net) という、YouTube の音楽動画でタイピング練習ができる Web サービスです。個人で運営していて、本番で動いています。

⚠️ 先に一つ断っておきます。**これは 1 人の現場の記録です。** 複数人のチームでは、計画もレビューも他人に向けた通信なので、自動テストに置き換えられない部分が残ります。前 2 作を読んでいなくても入れます——各回の冒頭に、前作で書いたことを 1 行だけ置くので、そこだけ読めば足ります。順に読むなら 1 作目からですが、要件ではありません。

## シリーズの構成

- [第 1 回 検証を指示しない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-01-no-verification)
- [第 2 回 具体的な指示を出さない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-02-no-procedure)
- [第 3 回 不具合詳細を書かない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-03-no-bug-details)
- [第 4 回 計画を書けと言わない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-04-no-plan-request)
- [第 5 回 念を押さない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-05-no-emphasis)
- [第 6 回 サブエージェントの出力だけは、細かく指示しろ](https://typing-tube.net/articles/iwanai-06-subagent-output)
- [第 7 回 AI を問い詰めない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-07-no-interrogation)
- [第 8 回 AI にダメ出ししない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-08-no-criticism)
- [第 9 回 AI に考えさせない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-09-no-guessing)
- [第 10 回 質問に答えない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-10-no-answering)
- [第 11 回 AI にレビューをさせない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-11-no-review)
- [最終回 何もしない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-finale)

各回はファイルやスクリプトを一つ置けば完結します。**全部を今日置く必要はありません**——冒頭に、自分の環境で症状を確かめる操作を置いてあるので、症状が出ている回から拾ってください。

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次回は一番手前の話から。**私は、AI に検証を頼むのをやめました。**頼んでいた頃と、品質は変わっていません。

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**連載「言わない技術」**

- → 次回: [第 1 回 検証を指示しない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-01-no-verification)
