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title: "言わない技術 第10回：質問に答えない技術"
author: garplab
publisher: TypingTube
license: CC BY 4.0
license_url: https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
license_scope: 「CC BY 4.0」の印から始まる節（仕組み・検証手順・コード）。印の無い本文は著作権を留保
canonical: https://typing-tube.net/articles/iwanai-10-no-answering
series: "言わない技術"
language: ja
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> この記事は、連載「言わない技術」の第 10 回です。各回はファイルやスクリプトを一つ置けば完結します。連載の全体像と各回の一覧は[序論](https://typing-tube.net/articles/iwanai-intro)にあります。

今回は、AI のほうから飛んでくる問いの話です。「A と B、どちらにしますか」「〜という理解で合っていますか」。私は、これに答えなくなりました。

この回は復習回でもあります。ここまでの 9 回で置いたものを、入力の側で並べ直します。**この連載から読み始めた方には、ここが入口になります。** 前の 9 回を読んでいなくても、下の一覧で何が置いてあるかは伝わります。

前作「AIの意見を聞かない技術」の[第 7 回](https://typing-tube.net/articles/kikanai-07-no-listening)で、AI のズレを**訂正するのは仕組みの仕事**だと書きました。今回は訂正ではなく、**確認**の側です。

まず一つだけ、数えてみてください。直近のセッションで、AI から「A と B、どちらにしますか」「〜という理解で合っていますか」と聞かれた回数です。そのうち、**答えなければ作業が止まったもの**は何回でしょう。

## 答えると、答えが前提になります

Anthropic のモデル別のプロンプト指針は、確認の頻度についてこう書いています——**日常的な判断はモデル側でやり、読み方の違いが仕事の中身を変えるときだけ確認せよ**。

これは「聞くな」ではありません。**線引きが引いてある**だけです。そして、線引きの手前で答えてしまうと何が起きるかは、[第 7 回](https://typing-tube.net/articles/iwanai-07-no-interrogation)で測りました。**答えは前提として渡ります。**「A で」と言えば、B は探されません。「はい、合っています」と言えば、そこは確かめ直されません。

理解したことは一文にできます。

> **問いに答えることは、答えを前提として渡すこと。だから答える代わりに、答えなくて済む場所を先に置いておく。**

## 置くものはありません。置いてあるのは、ここまでの 9 つです

この回で新しく作るものはありません。**問いが減ったのは、9 回ぶんの仕組みが問いの前に立っているから**です。並べるとこうなります。

| 回 | 置いたもの | 立っている場所（無ければ聞かれる問い） |
|---|---|---|
| [1](https://typing-tube.net/articles/iwanai-01-no-verification) | 実行の依頼に機構の裏打ちを要求する自動テスト | 「検証しておきますか？」 |
| [2](https://typing-tube.net/articles/iwanai-02-no-procedure) | 用途カタログの `requires`（渡すものだけ縛る） | 「どの順で進めますか？」 |
| [3](https://typing-tube.net/articles/iwanai-03-no-bug-details) | 不具合の詳細を画面に集めさせるフォーム | 「再現手順を教えてください」 |
| [4](https://typing-tube.net/articles/iwanai-04-no-plan-request) | 書かれた計画書そのもの（前例の蓄積） | 「まず計画を出しますか？」 |
| [5](https://typing-tube.net/articles/iwanai-05-no-emphasis) | 強調の件数のラチェット | 「これは重要な決まりですか？」 |
| [6](https://typing-tube.net/articles/iwanai-06-subagent-output) | 出力の形を書き切った手引き（**唯一の例外**） | 「どの形式で出しますか？」 |
| [7](https://typing-tube.net/articles/iwanai-07-no-interrogation) | 疑問形で固定した締めの一文 | 「この解釈でよいですか？」 |
| [8](https://typing-tube.net/articles/iwanai-08-no-criticism) | 置き換え先のない禁止の検出 | 「これは駄目ですか？」 |
| [9](https://typing-tube.net/articles/iwanai-09-no-guessing) | 名指しの先に目印を要求する構造 | 「このファイルはこうですよね？」 |

右の列が、答えずに済んでいる問いです。**どれも「私が答える」ではなく「機械が答える」か「聞く必要がなくなる」に置き換わっています。**

前 2 作で見つけたパターンは 5 つでした。入力の側に翻訳すると、そのまま当たります。

| パターン（前 2 作） | 入力の側での意味 |
|---|---|
| ルールは読まれたときだけ効く。足すほど薄まる | **問いへの答えも同じ**。その 1 回のセッションでしか効かない |
| AI は止められると探す | **答えると、探すのをやめる**（第 7 回で測った） |
| 読んだかは測れない。在るかだけを見る | 「わかりましたか」に「はい」と返っても、**何も測っていない** |
| 方針は、差し込む瞬間で効き方が決まる | 問いへの答えは**その瞬間にしか差し込まれない**。次のセッションには残らない |
| 自己申告は完了に寄る。数は落ちない | 「これで良いですか」への「はい」も、**完了のほうに寄る** |

## 前作が「誰も見ていない」と書いた項目は、どうなっていたか

前作の[第 8 回](https://typing-tube.net/articles/kikanai-08-no-inventory)に、こう書きました——「**機械検証: なし**」の項目は、**誰も見ていないぶん、黙って実装から離れていきます**、と。

私は、そのまま宙に浮いたと思っていました。[第 8 回](https://typing-tube.net/articles/iwanai-08-no-criticism)で数えたら、違いました。**代わりにどうするかを書けなかった 5 件は、あとから自動テストへ移っていました。** 離れていく代わりに、機械のほうへ渡っていた。⚠️ **前作が数えたのは却下の一覧 17 件で、こちらは行動ルール 43 件です。一覧が違います。** 同じことが別の場所でも起きていた、というだけで、あちらの内訳は動いていません。私が計画してそうしたのではなく、**書けないたびに 1 件ずつ移していたら、そうなっていました**。

## ⚠️ 切り分け: 前作の 9 つ目とは、扱うものが違います

前作「AIの意見を聞かない技術」は、AI の提案を二度検討しないための仕組みを 8 つ置いた連載で、その[最終回](https://typing-tube.net/articles/kikanai-finale)が **9 つ目**として「選択肢を選ばない技術」を扱いました。**あちらは AI が選択肢を並べてきたとき——判断の側**です。今回は **AI が問いを投げてきたとき——入力の側**で、別のものです。

そして、あちらはこう言い切っています。

> 8 つ置いた結果、いつのまにか出来ていました。置き方を説明できないので、技術として渡すこともできません。**渡せるのは、8 つのほうだけです。**

⚠️ **この回も同じです。** 渡し方を説明しません。上の一覧で並べたのは、**この連載で置いた 8 つ**のほうだけです（前作の 8 つとは別の 8 つで、数が同じなのは偶然です）。

## 答えなくなったもの

「A でいきましょう」「はい、合っています」「そこは大丈夫です」です。**問いが減ったのではありません**——聞かれる回数は前と大きく変わっていません。変わったのは、**問いの多くが機械の側で閉じるようになった**ことと、閉じないものだけが私のところに来るようになったことです。

## 注意: 答えるべき問いは、あります

**一つ、答えるべき問いはあります。** 冒頭の指針どおり、**読み方の違いが仕事の中身を変える**ときは答えます。「この機能は作らない」「この語は使わない」は、機械には決められません。この回は「全部黙れ」ではなく、**線を引く場所の話**です。

**二つ、8 つの一覧は私の手元の形です。** 同じ 8 つを置く必要はありません。見てほしいのは中身ではなく、**「聞かれたとき、どこかの仕組みが引き受けられるか」を先に見る順番**のほうです。

## 検証手順: 聞かれたら、引き受け先を探す

**前提**

- 置くものはありません
- **あなたが既に置いた仕組みの一覧**があること（この回の表のようなもの。手元の分を紙かメモに書き出しておきます）
- **次に AI から確認の問いが来る場面が 1 回**あること

**所要時間**: 5 分（その場で 1 回）

**手順**

1. **AI から確認の問いが来たら、あなたが**、答える前に手を止めます（「A と B、どちらにしますか」「〜という理解で合っていますか」）
2. **あなたが**、その問いを 2 つに仕分けます。判定の基準は 1 つです——**読み方の違いが、仕事の中身を変えるか**。変えるもの（「この機能は作らない」「この語は使わない」）は、あなたが答える問いです。変えないもの（進め方、形式、どちらでも成立するもの）は、仕組みが引き受けるはずの問いです
3. **仕組みが引き受けるはずの問いなら、答えずに、その仕組みを見に行きます。** ⚠️ **見に行くのが本体です。** 答えてしまうと、次の「見るところ」のどちらだったのかが永久に分かりません

**見るところ**（合否ではなく、見に行った結果で分かれます）

- **仕組みはあるが、止まっている** —— 動いていない仕組みが見つかりました。直す場所が分かった、ということです
- **その問いを引き受ける仕組みが無い** —— あなたが答えます。⚠️ **一度目は答えていい。** そのうえで記録します——**同じ問いが二度目に来たら、そのときに引き受ける仕組みを 1 つ置きます**

**後始末**

- 要りません

⚠️ 二度目に置く、が本体です。前 2 作と同じで、先回りして置いた仕組みは馴染みません。

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次回は「AI にレビューをさせない技術」。**私は、AI にレビューをさせていません。**それでも、抜けは私より先に見つかっています。

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**連載「言わない技術」**

- ← 前回: [第 9 回 AI に考えさせない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-09-no-guessing)
- → 次回: [第 11 回 AI にレビューをさせない技術](https://typing-tube.net/articles/iwanai-11-no-review)
- 全回の一覧: [序論](https://typing-tube.net/articles/iwanai-intro)
